2017年9月21日木曜日

ストレスを受けた時の脳①

よくパニックになると冷静な判断が出来なくなるっていいますよね。

頭が真っ白になったり、動きが止まったり・・・。自分の例で言うと交通事故などがそうで、一瞬何が起こったのか理解できず思考が固まったことがあります。

何でこんなことになっちゃうんでしょうね?

理由は脳の動きにあります。

脳は、ストレスを受けると瞬時にこれは生命の危機かどうかを察知してそれを防ぐ反応をします。
ノルアドレナリンやドーパミンなどの神経伝達物質をドバッと放出して脈拍を早め血圧をあげ、体を興奮状態にして何なら痛みもあまり感じなくさせて危機に対処します。

いつもなら、脳の高度部分の前頭前野を経由して対処してるのがそこをすっとばして運動機能につながる命令系統へ神経が伝達していくのです。

そうやって人間の体は、意識的に思考が働かなくてもきちんと体が動き、かつ危険に対応できるようになっています。しかし、この脳の前頭前野のルートを省略してしまうと一方で複雑な情報処理が出来ない部分も出てくるのです。

脳の前頭前野というのは、パソコンでいうとOSみたいな部分を担っていて、それぞれが持っている情報をつなげて総合的に判断して体の機能を調整する箇所でもあります。

この部分が負傷すると、例えば、状況判断が出来ません。
危機回避も難しくなります。

これは、自分の父がくも膜下で負傷したため目の当たりにしたのですが、手足や体、パーツはそれぞれちゃんと動いても、その中でどれを優先的に動かせば目的を達せられるのかが判断できなくなります。

具体的に言うと、起き上がるために手足をどう動かしてよいか、どの順番で動かせばよいかわからず起き上がれないなんてことがあったりしました。

ひとつずつ、手を動かして、足を動かして、と伝えればきちんと動かせます。
でも、自分でどちらを先に動かせばいいのかは判断できないのです。

ストレスが溜まってくると、前頭前野の動きが鈍くなっています。
ということは、間違いに気がつかなくなったり正しい判断が出来なくなったりとミスが多くなったりするワケですね。