2018年5月31日木曜日

いつまでも取れないその疲労ってもしかして副腎疲労?!




何かはっきりとした原因がないのだけれど、ずっと調子が悪い。

一見、うつ病の症状と似てるけどうつ病の薬を処方してもらっても良くならず、ずっと疲労感がある状態が続く。

そんな場合は、自律神経の調子が悪いのではなく副腎が疲れているせいかもしれません。






腎臓の上に乗っかっている小さいのが副腎


副腎は、左右の腎臓の上にちょこんとのっかってる小さな臓器ですが、50種類以上のホルモンを分泌する重要な臓器で生命の維持にはないと困るものです。

特にストレス時に非常に活躍してくれる臓器でコルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの有名なホルモンが分泌されるところでもあります。



ただ、副腎は独自で動いているわけではなく、原則は複数のホルモンが互いに分泌量などのバランスをとりあちこちの器官とやりとりをしながら生命維持するための活動をしています。



そのため、副腎が疲労すると50種類以上のホルモンが適量な分泌量で機能することが出来なくなります。

そうなると、本来バランスをとりながら丁度良い適量のホルモン分泌を出そうとする副腎が疲れてしまって本来を動きが出来ず体の不調が現れるようになってしまいます。



また副腎は人間が生きていくためにとても大事な臓器ですが、結構ギリギリまで頑張ってしまうらしく、たとえ疲労度が高くなってても自覚症状があらわれにくく無言の臓器とも言われています。



副腎が疲労してしまった際の特徴は、

朝起きられないほどの慢性的な疲労感や

うつ症状、

不眠症鼻炎、

花粉症、

気管支ぜんそく、

性欲低下、

更年期障害、

糖尿病、

高血圧など様々な症状があらわれます。

症状が非常にうつ病と似ていますが、あらゆる検査結果の数値が正常値であり、うつ病の処方も効き目がないとされています。

過剰ストレスが原因でありますが、メンタルな問題ではなく肉体の問題としても考えていく必要があるそうです。

そして、その副腎が疲労してしまう代表的な原因の一つにストレスによるコルチゾールの過剰分泌があげられています。





コルチゾールは血糖値や血圧をコントロールしてくれるホルモンなんですが、炎症をおさえたり免疫機能や神経系もあっという間に調整できてさらにストレスにも対応してくれる万能ホルモンです。

しかし、そのホルモンも分泌が過ぎれば身体の不調に陥ります。

いくらストレスに対応してくれるホルモンと言ってもそのストレスをずっと受け続けると

ホルモンもずっと分泌が止まろうとしてくれません。

コルチゾールが過剰分泌するとどんなことが起こるかというと、

分泌のしすぎで副腎が疲れて動けなくなって、結果、コルチゾールを分泌できなくなってしまい

朝起きられなくなります。





コルチゾールは1日の内分泌量が変動しています。

朝4~6時から多くなり始め、8時でピークになります。

朝というのは人間の身体には他のホルモン分泌や

神経伝達物質の放出するため多くのコルチゾールが必要な時間帯です。

しかし、疲労しているとコルチゾールの分泌する動きが足りず朝起きるのが困難になります。

夜は朝ほどコルチゾール分泌が必要じゃない時間帯なので元気が戻ったように見えます。

が、実はそうではなく、夜になると通常は分泌が少なくて良いので単に健康な人と差がわかりにくくなり一見大丈夫そう(症状が安定したように)に見えるだけなのです。

しかもその元気は23時過ぎから始まってしまい2~3時まで元気が続いたりするんですが、

そのおかげで次の朝の分のコルチゾールの貯金がなくなり

再び朝起きられないという悪循環が始まってしまうそうなのです。

また、副腎疲労の人は腸の調子が悪い人が多いです。

そうなるとたんぱく質の吸収も悪くなります。

たんぱく質はアミノ酸に分解されて腸から吸収されるようになっています。

そしてアミノ酸が少ないとアミノ酸を原料にしているセロトニンが作られなくなります。

さらにセロトニンが少ないとメラトニンという目覚めを呼ぶホルモンが作られなくなるため、

それも朝起きられない原因となります。



副腎疲労も少しずつちりが積もっていうようにすこしずつ溜まっていってしかも自覚症状が少ない。

身体の不調が出て場合はすでにかなりのストレスが溜まっていると認識した方が良いですね。

特に下記の第4ステージになると生命の危機にまで及んでしまいますので、体の疲労感は少しの変化でも放置しないで副腎の負荷を減らしてあげてくださいね。

第1ステージ=比較的ストレスも軽く自覚症状がない。
第2ステージ=ストレスが重く副腎が必死にコルチゾールを分泌中
第3ステージ=副腎に疲労がたまり、不調が出始める。
第4ステージ=副腎が機能せず生命の危険



副腎を疲れさせないのにはもちろんストレス解消が大事です。

不眠や運動不足も解消されれば回復に役立ちます。

ここまでは、うつ病改善でも言われていることなのでご存知の方も多いかもしれません。

副腎疲労はストレスホルモンのコルチゾールの分泌改善が回復のキーになるため、

適量分泌するような手助けをしてあげると回復も早まります。



それには、副腎に悪いものを避けて良いものを身体に取り入れてあげましょう。

良いものとは

まずホルモンの原料となる良質のたんぱく質(たとえば魚)

身体によい脂質(例えばオメガ3など不飽和脂肪酸の油)

ビタミンB群(コルチゾールを作るときにビタミンB群画必要です)

ミネラル(マグネシウムは副腎がホルモンを代謝するときに必要です。また副腎疲労時は腸の悪くなりやすくミネラルの吸収が不足しがちです)

塩分(腸による塩分の再吸収が上手に出来てない場合があるので意識的に塩分摂取するのも良いです。また疲れた時ほど塩分が欲しくなり味も美味しく感じます)

グルテンフリー(グルテンは腸の炎症を起こしやすく、また炭水化物は血糖値が急に上がりやすいためその調整にコルチゾールをたくさん必要です)

カゼインフリー(カゼインも腸の炎症を起こしやすいといわれているため乳製品はヨーグルトではなく植物性乳酸菌味噌、納豆、漬物の発酵食品の方が副腎には優しいです)

カフェインフリー(カフェインは副腎を刺激して強制的にコルチゾールを出そうとするためとりすぎは副腎の負担になります)

悪いものは甘いお菓子や添加物類は副腎に負担がかかっているといわれています。



上記の中の食べ物で過剰摂取のもの、または極端に少ないものがあればそれは副腎疲労を進めていく要因になっているかもしれません。

ほどほどの量にとどめておいて副腎の疲労回復に努めてあげてください。





最近は副腎疲労外来というのもあるらしいので、うつ症状だけれども薬も効かず

ずっと不調で困っている場合はそういったところへ行って診てもらうこともお勧めします。





参照/自分で治す副腎疲労/本間良子本間龍介 著/洋泉社